(2023年10月執筆)
週末、いつもの様に行きつけのピンサロに開店前に並んでいました。並ぶ理由はただ一つ、決められた時間に受付を済ませると10分延長コースになるからです。
皆、この10分の為に開店1時間前に並び、口開けを取れた人でも最低1時間待つのです。たかが10分、されど10分です。
基本的に10分延びてもできる事は変わらないのですがオキニと1分1秒でも一緒に居たいと思う気持ちは皆、同じです。
私はこの日、目当てのオキニがいたのですがあろう事か電車が遅延してしまって最寄り駅に着いたのが10分延長コース受付終了10分前で、「やばい!私のオキニとの10分が!!」と何が何でも時間に間に合わせようと駅からお店まで猛ダッシュしていました。
たとえ出勤途中であっても、普段、電車が遅延してイライラする様な性格ではないのですが、この日ばかりは感情を抑えられませんでした。
そして、何とか受付終了2分前にお店に辿り着き、まだ2分ある事を確認して、息切れしていて、「走って来たなこいつ」と受付のボーイに思われたくなかったので店の前で息を整えました。
まあ、向こうも客の事なんか何とも思っていないのは百も承知ですが、変なところを気にしてしまいます。
ともあれ、ギリギリ時間内に受付に行き、まだ朝割が使える旨を確認した後、私の目当ての嬢の待ち時間を確認します。
すると、「え〜と、〇〇さんは、今日はもう終わっちゃいましたね。」とまさかの受付終了の宣告を受けました。
まあ、土曜日でしたし、予想はしていましたが絶望です。だったら走らなくて良かった…あの汗を返して欲しい。
「どうされますか?」と急かされ、他に目当ても居なかったので、フリーにしようとしていたところ、パネルを見ると、見覚えのない可愛い子がいる事に気づきました。
彼女には新人マークが付いていました。「あちゃ〜…新人か…」と再び絶望しました。
というのも、私はつい先日、この店で激推しの新人狙いで初出勤日に開店前に並んでその子を指名をしたら、「新人なのでご案内が難しいです。」と指名拒否をされたばかりでした。
あの時、実は彼女は新規は一律で指名拒否していたそうだったのですがこの時は知る由もありません。
だったらいらん事を言わずにフリーで入っておけば指名料もかからず、遊べた可能性は大いにあったのだとこれもこの後に気付く事になります。
店推し新人に出会うまでの奮闘については以前にレポを書いているので、興味があればご参照下さい。
またあの時の二の舞になってしまうのは懲り懲りだったので10分延長コースでフリーで入る旨を伝えました。
すると、いつもなら「はいはい、フリーね。」とテキパキと予約券を印刷して、「5分前に戻って来て下さい。」と言われて追い出されるのですが、この日は少し違いました。
開店前はパネルの前に案内役の若いボーイとその裏にPCで予約状況を入力しているおっさんのボーイ(店長?)の2名がいつもいるのですが、案内役の若いボーイが、店長に指示を仰ぐ様な仕草をして、それを受けて店長は私の方をチラッと見て、「19番」と言いました。
それに対して、若ボーイは「はい。」と答えて予約券に「19」と書いて、「12時のご案内です。お手洗いを済ませて5分前にお戻り下さい。」と言われて、予約券を渡され、店を後にしました。
今まで何度もこの店に通っていますが、このパターンは初めてでした。
「19?何の番号?」と不思議に思って店のHPの出勤表を見ても、19番の女の子は見当たりません。
91番の子は出勤していたので、この子の隠語なのか?とか色々考えましたが、結局、わかりませんでした。この日、出勤していた新人の子は2名でした。
10分延長イベントが常時開催されているので、この店のランカー嬢は全員、毎日必ず本指が口開けを狙いに来ます。
オープンにフリーで案内されるという事は指名が入っていない子か、新人が着く事はわかっているので大体、その日の出勤表を見れば誰が着くのか見当がつくのですが、その日は候補が3人いました。
パネルで見た新人と、あとはフリーで何度か着いた事があるいつメンです。
なので、ぶっちゃけ誰が着くのか予想は着いていましたが、初めての状況にドキドキしながら、店前の「安らぎの場」的な広場で待ちます。
ここでは多くの同志がいつもベンチの席を奪い合っていました。
今はもう閉店してしまって、八王子には用がなくなってめっきり行かなくなってしまったので、あの頃のいつもの光景が懐かしいです。ここが私の特等席でした。
10分前になったら、広場の同志達が一斉に立ち上がり動き始めます。もはや時計を見ていなくてもわかります。それが合図です。
ゾロゾロと店へと続く細道を歩き、いつも見る顔ぶれの常連客達に「どうぞどうぞお先に。私はフリーなので。」と余裕の表情をして目で合図を送ります。
「お待ちしておりました。19番さんご案内お願いします。」と奥のシートへと案内されます。
この時点でもうあの新人の子が着く事はおおよそ確信しました。この店に限らず、ピンサロで案内されるシートの番号には意味があります。
その日、人気ナンバー1の子専用の席、新人専用の席、フリー要員の席などそれぞれ役割が与えられています。
この店は全部で16まで番号が振られたシートがあるのですが(16席ある訳ではありません)私は全ての席に案内された事があるので、体感でどういう場合にどこへ案内されるのかは大体わかっていました。
私の見立てだとこうです。
一番左奥が3P専用のプレミアムシートで、真ん中4つが新人用、あとはベテランや人気嬢が奥、手前は空いた人が入るイメージです。
あと、この店には回転コースもありましたが、毎回、案内される番号はバラバラでした。あくまで私の経験からの推測です。お店の人に聞いた訳ではありません。
そして、この日、私が案内されたのは右側通路左、奥から2番目のシートでした。図で言うと8番です。
私が新人が着くとわかったのはこういう理由です。この店で新人に入るのは久しぶりだったので少し緊張します。
というのも、新人自体しばらく入店していなかったのと、どういう訳か、この頃に系列店でも同様に新人ラッシュが続いていたので、いつもフリーでも遊んだ事のある子ばかりが着くマンネリが解消されて、より一層、お店に通う頻度が増えていた様な気がします。案内のコールが始まりました。
「本日も八王子ロミオ、多数のご来店、ご指名をいただきまして誠にありがとうございます。
さぁ、コールナンバー〇〇、〇〇さん、ラブコールから2番シート、コールナンバー…」
と次々とラブコールの嵐が続き、続いてファーストコール(フリー)で2名の方の名前が私のいるシートとは別の番号で案内され、最後に、あのパネルで見た新人の子の名前が私のいるシートの番号に案内されました。
後からその子のプロフィールを見ると、店コメ欄にはぎっしりと彼女の魅力が書きこまれていました。
そして、最後の一文には、「ご指名は優しい紳士のお客様に限らせていただきます。」と添えられていました。
なるほど、店から守られている様です。という事は私は紳士と捉えられている訳ですね。
今後は新人に入りたい際は指名などしません。ドキドキしながら待っていると、そーっと覗き込む様に、
「こんにちは〜」とお茶を持って彼女が中へ入って来ました。
「こんにちは。宜しくお願いします。」と返すと、
「初めまして。〇〇と申します。本日は宜しくお願いします。」と何とも丁寧に挨拶をしてくれました。
タイトルにもある通り、彼女は私の会社の同僚ですが、実はこの時、私はまだ彼女が自分と同じ会社で働いている人間だとは知りませんでした。
というのも、会社の全員の顔と名前を把握している訳ではないので、この時は本当に普段お店で初めての子が着いた時と同じ気持ちで接していました。おそらく彼女も私の事は気づいていなかったと思います。
「私、まだ入店して1週間しか経っていないので不慣れな点もあると思いますが、宜しくお願いします。」
と言われ、「そうなんですね。あまり堅くならず、緩く楽しみましょう。」
と言うと、「ありがとうございます。そう言ってもらえて安心しました。」と言われました。
そうは言っても緊張している様子だったので、最初の10分はお喋りをしました。ちょうど10分延長コースですし…
「よくここのお店には来られるんですか?」と聞かれ、「いえ、前に確か2回来て、今日で3回目です。」と答えました。
「私も今日で3回目なんです!」と満面の笑みで言われました。ビンゴです。
「一緒ですね!運命かも…」と言うと、「歳も近そうだし、優しいお兄さんで良かった〜」と抱きついてくれました。
「ちなみに何歳なんですか?」と聞くと、「今年で〇〇歳です。」と言われました。
「えっ。私も今年で〇〇です。奇遇ですね。」と答えると、「え〜!一緒じゃないですか〜!」と笑顔で言われました。
まさかのダブルでビンゴを引き当てました。さっきまでの緊張など何処かへ消え去って、
「可愛いね。タイプだよ。」と褒めモードの下心スイッチが入りました。
「そんな事ないです〜」と謙遜していたので、「そんな事あるよ!凄いタイプだよ!」と言うと、
「お兄さん、それ全員に同じ事言ってません?」と核心をつく一言を言われました。
「言ってないよ!言う訳ないし!」とちょっとキレ気味で言った後、軽くキスしました。そして、次々と個人情報を聞かれました。
「出身地は?」「家はどこ?」「お仕事は?」
この手の質問はいつも適当に答えてやり過ごすのですが、この日は共通点が多かったのが嬉しくて、なぜか全て正直に答えました。
「〇〇系です。」
「えっ、私もです。」
「本当ですか?」
「本当です。」
「じゃあ仕事内容教えて下さい。」
「いいですよ。〜の、〜とかしています。」
この時、言われた内容を聞いて少しゾッとしました。
かなり具体的に話していたのですが、私の職場の仕事内容と何から何まで言っている事全て一致していたのです。結構、珍しい仕事だと思うので偶然にしては出来過ぎています。
「えっ…私も全く同じ様な事してます。なんか怖くなってきました。」と言うと、
「えっ…。お兄さん、もしかして…。」
と言われたところで、空気を読んでくれたのか、サービス先行のコールが流れて、波乱の質問タイム終了です。
結局、半分喋ってしまいました。それより、まさかの事態に動悸が治まりません。もう後戻りはできません。
続きます。
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