童貞役で筆下ろし物のAVに出た話②

人生初の原宿デート。しかも相手はあおいれな。


二十余年生きてきてジャンケンで勝って良かったとこんなにも思えた日はありませんでした。

デートが始まって、嬉しいはずなのに緊張して何を話せばいいかわからず人見知りをしてしまっていた私に、彼女は優しく会話をリードしてくれました。

「名前は何って言うの?何って呼んで欲しい?」と聞かれ、僕は咄嗟に好きなアイドルグループの推しメンの名前をそのまま使ってしまいました。

「なぎさです。なぎさ君って呼んで欲しいです。」

女の子みたいな名前だね!と言われ、
「まあそうなりますよね」と思いつつ、デートコースは歩いて明治神宮に行く事になりました。

その日はとても寒く、手がかじかんでいるとれなちゃんは「手、握ってもいい?」と言ってくれ、移動中ずっと手を繋いでくれていました。

彼女の手はすごく小さくて、女性の手ってこんなに小さいんだ。と思いながら冷たい手を手同士で温める喜びをこの日初めて知りました。

明治神宮に着くと、初めに御札に「童貞を卒業できますように」と書いて納所に入れました。童貞じゃないのに。しかも偽名で。

こんなことをしてバチが当たらないかと心配になりましたが、れなちゃんは「いいんだよ!それもお願いなんだから!」と言い、笑ってくれました。

その後、御守り売場で願いが叶う御守りをお揃いで買い、おみくじも引きました。

内容は、「何事も気持ち次第。自分を偽らず真摯に目の前の物事と向き合いえばきっと上手くいくだろう。」と書いてありました。

嘘を重ねているのでグサリと胸に刺さりましたが、確かにその通りだな。と思い、そこから変に気を張らず自然体でいるように意識すると

気付けば会話も弾み、どんどん距離が縮まっていくのを感じました。

お昼ご飯を食べ、帰り道で猫が好きだという話をしていると、猫カフェの前を通ったので試しに「行ってみますか?」と聞いてみると

「行きたい。」と返事をしてくれたので、猫カフェデートをする事ができました。

中には可愛い猫が沢山いて、猫よりも犬派だと言っていたれなちゃんも「猫可愛いね!」と笑顔で触れ合っていました。

https://twitter.com/aoi_rena_/status/1475443317068693505?s=46&t=BNsb4WXrXG9X2MSN_Sd1Qg

でも、私はそんな猫に夢中なれなちゃんにメロメロで
猫そっちのけで彼女の事ばかり見てしまっていました。

猫カフェを出て、帰りにクレープ屋さんの前を通り、それを見たれなちゃんが

「美味しそうだから食べよっか。」と可愛く言ってきたので、買って2人で食べながら歩きました。

クレープを食べて、口にクリームがついているれなちゃんはとても可愛いらしく

「本当にクレープを食べて口にクリームをつける人っているんだ…」と思わず関心しました。

途中で彼女は「もうお腹いっぱい。」と半分くらいしか食べてないのに残りの分をくれ

自分から食べたいと言っておいてあざといなぁと思いつつ、お昼のデートは終わりました。

もう1人の童貞から向井藍とのデートの感想も聞きましたが、じゃんけんで負けた時の悲しい顔が嘘の様に、嬉しそうな表情に変わっていました。

「この後、れなちゃんで童貞を卒業できるんだ。」とドキドキしながら待っていると、夜もデートできると聞かされ

「今度はどこに行けるのかなぁ。」とか考えていると、向井藍さんに「さぁ、行こうか!」と腕を引っ張られそのまま車に乗せられました。

「あぁ。れなちゃん…」とその時はすごく悲しい気持ちでした。

しかし、向井さんはれなちゃんとは違いグイグイ距離を縮めてきて

「デートコースは私に全部任せて。」とまるで全てをリードしてくれる様な大人の余裕を見せてくれました。

夜はイルミネーションを見に行くと言われ、東京タワーに行きました。「まずは夜ご飯を食べよう。」と提案してくれたので

ちょうどタワーの下に屋台が出ていたのでそこでご飯を食べる事にしました。

この日はとても寒く風も強かったので、外で食べるのはしんどいな。と内心思っていたのですが

向井さんが温かいスープを持ってきてくれて2人で震えながらそれをあーんして「美味しいね」と言い合っていると、「外で食べるのもありだな。」とまんまと改心させられました。

見た目も中身も一見、大人っぽいのに屋台で子供みたいにはしゃいでいる向井さんの姿を見て

なんだかギャップ萌えをしてしまったのを覚えています。

次に、「せっかく来たんだから展望台に行きませんか?」と提案しましたが

チケット売り場に行くと1時間待ちで時間的に厳しかったので、彼女のリクエストで近くのタワーが見えるカフェでのんびりする事にしました。

そこで、向井さんに今回の企画の趣旨を聞かされました。

その内容は、昼と夜、童貞2人が別々の相手とデートをしてどちらの女優と童貞を卒業したいか選び、選んだ方とそれぞれがセックスをするか、あるいは

もし2人共同じ相手を選んだ場合は、選んだ相手と一緒に3Pするという別々のシナリオに分岐するロールプレイング系の台本でした。

「なぎさくんには絶対私を選んで欲しい。」と言われ、人前であるにも関わらず激し目のボディタッチをされ

この時点でもう気持ちは向井さんに傾きかけていましたが、帰りに車の中で「膝枕してあげる。」

と言われ、もう完全に向井さんを選ぶ気になっていました。

しばらくすると交代して膝枕をしたりしているうちに

「もうすぐ着きますよ。」とスタッフの方に言われ、向井さんは「遠回りして。」と我儘を言って

もう目的地の目の前なのに通り過ぎて近くを一周して帰って来たあの時間はすごく幸せな一時でした。スタッフさんも空気読んでくれてありがとう…

スタジオに戻ると即座に別撮り用のセットが組まれた部屋に案内され、「さあ、どちらか選べ。」と言われ、心の整理ができていないまま僕は向井さんを選びました。

ちなみにもう一人がどちらを選んだかは教えてもらえず、お昼のデート以降、顔も合わせていなかったので、先に帰ってきた彼の選択は知る由もありませんでした。

「あおいれなと向井藍、どちらで童貞を卒業したいですか?」

「…向井藍さんです。」

「理由は?」


「順番の問題です。昼と夜のデートの順番が逆だったら逆を選んでいたと思います。」


「それは良くないね。君の本心を聞かせて欲しい。本当はどっちとしたいの?よく考えて。」

「……あおいれなさんです。」

昼間の楽しかったれなちゃんとのデートを思い出すとやっぱり彼女の事が好きだと思い、れなちゃんを選びました。

内心、「同じ相手を選んでいたら嫌だなぁ」と思っていたので、彼も最後にデートした方に気持ちが昂っているだろうなと思い

向井さんを初め選びましたがやはり、れなちゃんの方に気持ちが傾きました。


「おっ、どうして?」


「さっきは向井さんとデートから帰ってきたばかりで気持ちが昂っていましたが、私が本当に童貞を卒業したいのはあおいれなさんとです。」


「でもさっき藍ちゃんとデートしてる時、すごい楽しそうだったよね。藍ちゃん悲しむと思うよ。


でもまぁ、君がれなちゃんがいいのならそれはそれで尊重するよ。」「本当にいいの?」


「………向井藍さんにします。」

「そうなの?ちなみに理由は?」


「やっぱり藍ちゃんとのさっきまでのデートの方がお昼よりも楽しくて、彼女の事が好きになりました。」


「なるほどね。じゃあれなちゃんとはもういいんだ。最後にもう一度れなちゃんとのデートを思い出して。」「悔いはない?」


「…………あおいれなさんにします。」


「もう思い出した順になってるじゃん。」

「さっきまでの方が楽しかったんじゃなかったの?」


「いや、思い返すとれなちゃんとデートしてる時の方がありのままでいられた気がして。私、最初かられなちゃんに決めてました。」


「でも藍ちゃんに誘惑されてそっちいっちゃいそうになってたんでしょ?」


「………」


「さっきのあの楽しそうなのは何、嘘だったの?藍ちゃんの事大好きって言ってなかった?」

「…………あ、藍ちゃんで。」

「面白いね。後悔ない?もうカメラ止めちゃったら変えられないよ?本当に藍ちゃんでいいんだね?」


「……………」


「なぎさくんはどういうセックスがしたいの?

楽しくしたいのか、リードしてもらいたいのか、とか。」


「…楽しくしたいです。」


「じゃあデートで楽しかった方は?」


「れなちゃんです。」


「セックスしたいのは?」

「……………れなちゃんです。」

「ハハッ。悔いはないね?本当にれなちゃんでいい?」


「……はい。」


迷いに迷った挙句、最終的にあおいれなさんを選び、彼女で童貞を卒業すると心に決めました。

結果、2人共別々の相手を選んでいて、念願のあおいれなさんとセックスができるとわかって本当に嬉しかったです。

女優2人も僕たち童貞がどちらを選んだかは、本番開始まで聞かされてなかったらしく

2人共、別々の部屋でそれぞれ待機していて、
「童貞の彼らは一体どちらを選んだのか。」みたいなノリで

監督がカメラを回しながらドアを開ける瞬間、格付けチェックみたいな事をしていたのが個人的に面白かったです。

続く

童貞役で筆下ろし物のAVに出た話③

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